起業にかかる費用はいくら?初期費用・運転資金・資金調達まで完全ガイド
2026年3月7日
起業を考えたとき、多くの方がまず気になるのが「いくらかかるのか?」という費用の問題です。
会社設立に必要な登録免許税や定款認証費用といった初期費用だけでなく、オフィス賃料や設備投資、さらには事業開始後の運転資金まで含めて考える必要があります。
しかし実際には、業種や事業規模、オフィス形態によって必要な金額は大きく変わります。十分な準備をせずにスタートすると、資金不足によって事業継続が難しくなるケースも少なくありません。
本記事では、起業にかかる費用の全体像をわかりやすく整理し、初期費用・運転資金・資金調達方法までを具体的な目安とともに解説します。これから起業を予定している方が、無理のない資金計画を立て、安心してスタートできるようサポートします。
また、起業費用の中でも大きな割合を占めるのがオフィス関連のコストです。初期費用や固定費を抑えながらビジネスをスタートしたい方は、レンタルオフィスやコワーキングスペースといった選択肢もぜひチェックしてみてください。
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目次
起業にかかる費用の全体像|まずはいくら必要?
起業にかかる費用は、単に「会社を作るためのお金」だけではありません。実際には、開業前に必要な初期費用と、事業を軌道に乗せるまでの運転資金の両方を考える必要があります。まずは全体像を整理しながら、どれくらいの資金が必要なのかを見ていきましょう。
起業費用は「初期費用+運転資金」で考える
起業費用は大きく分けて次の2つです。
✅ 初期費用:法人設立費用、オフィス契約費、設備購入費など
✅ 運転資金:家賃・人件費・広告費・通信費など、毎月かかる経費
特に見落とされがちなのが「運転資金」です。売上が安定するまでには時間がかかるため、最低でも3〜6ヶ月分の固定費を確保しておくのが一般的な目安とされています。
個人事業主と法人でどれくらい違う?
起業形態によっても必要な資金は大きく異なります。
✅ 個人事業主:開業届の提出のみでスタート可能(設立費用ほぼゼロ)
✅ 法人(株式会社):設立費用として約20〜25万円程度が必要
ただし、法人の場合は信用力が高まり、融資や取引面で有利になるケースもあります。「初期費用が安い=正解」というわけではなく、事業計画とのバランスが重要です。
業種別の起業費用目安(IT・飲食・士業など)
業種によって必要資金は大きく異なります。以下はあくまで一般的な目安です。
| 業種 | 初期費用目安 | 運転資金目安(3ヶ月分) | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| IT・Web系 | 20万〜100万円 | 50万〜150万円 | 70万〜250万円 |
| 士業・コンサル | 20万〜80万円 | 60万〜150万円 | 80万〜230万円 |
| 小売業 | 100万〜500万円 | 150万〜400万円 | 250万〜900万円 |
| 飲食業 | 500万〜1,500万円 | 300万〜800万円 | 800万〜2,300万円 |
※立地や規模により大きく変動します。ITや士業などは比較的少額で始められますが、飲食業は設備投資や内装費が高額になる傾向があります。
自己資金はいくらあれば安心?
一般的には、
✅ 総必要資金の3分の1以上を自己資金で用意できると安心
✅ 融資を受ける場合も、自己資金が多いほど審査で有利
とされています。
例えば、必要資金が300万円の場合、100万円以上の自己資金があると現実的なラインといえるでしょう。無理のないスタートを切るためには、「ギリギリ」ではなく「余裕を持った資金計画」が重要です。
起業時に必要な初期費用の内訳
起業時に必要となる「初期費用」は、会社を立ち上げるためのスタート資金です。業種や規模によって金額は大きく変わりますが、主に以下のような費用が発生します。
ここでは代表的な項目ごとに、具体的な内容と目安金額を解説します。
法人設立費用(登録免許税・定款認証など)
法人として起業する場合、まず必要になるのが設立手続きにかかる費用です。
株式会社の場合の一般的な目安は以下の通りです。
✅ 登録免許税:約15万円〜
✅ 定款認証費用:約5万円前後
✅ 印鑑作成費用:1〜3万円程度
✅ その他書類取得費など:数千円〜1万円程度
合計すると、約20万〜25万円程度が目安になります。合同会社であれば定款認証が不要なため、設立費用を抑えることも可能です。
事務所・店舗取得費用(賃料・保証金)
オフィスや店舗を借りる場合、想像以上に初期費用がかかります。
一般的には以下のような費用が発生します。
✅ 敷金・保証金(賃料の3〜6ヶ月分)
✅ 礼金(1〜2ヶ月分)
✅ 前家賃
✅ 仲介手数料(賃料1ヶ月分)
例えば、月額20万円のオフィスを借りる場合、初期費用だけで100万円以上かかるケースも珍しくありません。この固定費の高さが、起業時の大きなハードルになります。
設備・備品・システム導入費用
事業をスタートさせるには、設備や備品の準備も必要です。
✅ パソコン・周辺機器
✅ デスク・チェアなどのオフィス家具
✅ 電話・インターネット回線工事
✅ 会計ソフト・業務管理ツール
✅ 店舗の場合は内装・厨房設備など
IT系や士業であれば比較的少額で済みますが、飲食業や美容業などでは数百万円単位の設備投資が必要になることもあります。
専門家費用(税理士・司法書士など)
設立手続きや会計業務を専門家に依頼する場合、その費用も考慮が必要です。
✅ 司法書士報酬:5万〜10万円程度
✅ 税理士顧問料:月1万〜3万円程度
✅ 社会保険労務士報酬:数万円〜
自分で手続きを行えば費用は抑えられますが、時間と手間、ミスのリスクも踏まえて判断する必要があります。
見落としがちな初期費用
起業時には、つい見落としがちな費用もあります。
✅ ホームページ制作費
✅ 名刺・ロゴ制作費
✅ 広告宣伝費
✅ 許認可取得費用
✅ 保険加入費用
✅ 当面の生活費
特に「生活費」を資金計画に入れていないケースは少なくありません。事業が軌道に乗るまでの数ヶ月間、自分の収入がゼロになる可能性も想定しておくことが重要です。
起業後に必要な運転資金とは?

起業時には初期費用に目が向きがちですが、実はそれ以上に重要なのが「運転資金」です。運転資金とは、事業を継続していくために毎月必要となるお金のこと。売上が安定するまでの期間を支える“事業の体力”ともいえます。ここを見誤ると、順調に見える事業でも資金ショートを起こすリスクがあります。
毎月かかる固定費(家賃・人件費・通信費など)
固定費とは、売上に関係なく毎月必ず発生する費用のことです。
主な固定費の例:
✅ オフィス・店舗の家賃
✅ 人件費(役員報酬・従業員給与)
✅ 社会保険料
✅ 通信費(インターネット・電話)
✅ 税理士顧問料
例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
✅ 家賃:15万円
✅ 人件費:30万円
✅ その他固定費:10万円
→ 毎月55万円の固定費
この場合、売上がゼロでも毎月55万円が出ていく計算になります。これが運転資金の基本的な考え方です。
変動費の考え方
変動費は、売上に応じて増減する費用です。
例:
✅ 仕入れ費
✅ 広告費
✅ 外注費
✅ 決済手数料
売上が増えれば変動費も増えますが、利益が出る構造であれば問題ありません。
重要なのは、
売上 − 変動費 = 粗利
粗利 − 固定費 = 営業利益
という構造を理解することです。
固定費が高すぎると、売上が伸びても利益が出にくくなります。
黒字でも倒産する?キャッシュフローの重要性
「黒字倒産」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、利益は出ているのに、手元の現金が足りずに倒産するケースです。
例えば:
✅ 売上は発生しているが、入金が3ヶ月後
✅ その間に家賃や給与の支払いが必要
このように、利益と現金の動きは別物です。
そのため、起業直後は特に、
✅ 入金サイト(回収までの期間)
✅ 支払サイト(支払期限)
✅ 月次の資金残高
を意識したキャッシュフロー管理が不可欠です。
最低何ヶ月分の運転資金を用意すべき?
一般的な目安は以下の通りです。
✅ 小規模事業:3ヶ月分以上
✅ 店舗型ビジネス:6ヶ月分以上
✅ 新規市場への挑戦:6〜12ヶ月分
先ほどの例で月55万円の固定費なら、
✅ 3ヶ月分:165万円
✅ 6ヶ月分:330万円
この金額を“安全資金”として確保できると安心です。
起業資金の調達方法とメリット・デメリット
起業に必要な資金は、すべてを自己資金でまかなう必要はありません。事業内容や成長スピードによっては、外部資金を活用することでより安定したスタートを切ることも可能です。
ここでは代表的な資金調達方法と、それぞれの特徴を解説します。
自己資金で始める場合のメリット・リスク
自己資金とは、自分で貯めたお金や家族からの支援資金のことです。
メリット
✅ 返済義務がない
✅ 経営の自由度が高い
✅ 利息負担がない
✅ 融資審査の手間が不要
リスク
✅ 手元資金が不足しやすい
✅ 生活資金が圧迫される
✅ 失敗時のダメージが大きい
自己資金のみで起業する場合は、生活費+事業資金の余裕を持つことが重要です。
銀行融資・日本政策金融公庫の活用
起業時の代表的な調達方法が融資です。特に創業時は、政府系金融機関である日本政策金融公庫の創業融資を利用するケースが多く見られます。
特徴
✅ 比較的低金利
✅ 無担保・無保証人制度あり
✅ 創業者向け制度が充実
ただし、事業計画書の提出や面談が必要で、自己資金が少なすぎると審査が通りにくい傾向があります。
補助金・助成金の基礎知識
国や自治体が提供する支援制度も活用できます。
代表的な制度としては、
✅ 中小企業庁が管轄する補助金制度
✅ 厚生労働省の助成金制度
などがあります。
ポイント
✅ 返済不要
✅ 申請期間が限定的
✅ 後払い(立替払い)が多い
「もらえるお金」ではありますが、事前準備や申請書作成の負担も大きいため、計画的な活用が必要です。
出資・クラウドファンディングという選択肢
成長性の高い事業の場合は、出資を受ける方法もあります。
✅ ベンチャーキャピタル(VC)
✅ エンジェル投資家
✅ クラウドファンディング
出資の場合、返済は不要ですが、株式を渡す=経営権の一部を渡すことになります。スピード成長を目指すスタートアップ向きの手法といえるでしょう。
| 調達方法 | 返済義務 | 難易度 | スピード | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 自己資金 | なし | 低 | 早い | 小規模・低リスク事業 |
| 融資(公庫・銀行) | あり | 中 | 中 | 安定経営を目指す事業 |
| 補助金・助成金 | なし | 高 | 遅い | 設備投資・雇用拡大 |
| 出資 | なし(株式譲渡) | 高 | 中 | 急成長型ビジネス |
起業資金は「どれか一つ」ではなく、自己資金+融資+補助金などを組み合わせるケースも一般的です。
起業費用を抑える具体的な方法

起業時に最も重要なのは「できるだけ売上が立つまでの時間を稼ぐこと」です。そのためには、無理に売上を伸ばすよりも、固定費を抑えることの方が効果的な場合もあります。ここでは、起業費用を抑えるための実践的なポイントを解説します。
固定費を抑えるオフィス選びのポイント
起業直後に大きな負担となるのがオフィス費用です。
一般的な賃貸オフィスでは、
✅ 敷金・保証金(数ヶ月分)
✅ 礼金
✅ 仲介手数料
✅ 内装工事費
✅ 原状回復費
など、多額の初期費用が発生します。
費用を抑えるためのポイントは次の通りです。
✅ 必要以上に広い物件を借りない
✅ 駅近など立地と家賃のバランスを考える
✅ 事業規模に応じて段階的に拡張する
✅ 初期費用が明確なオフィス形態を選ぶ
「最初から理想のオフィス」ではなく、今の事業規模に合った最小単位から始めることが重要です。
レンタルオフィス・バーチャルオフィスの活用
近年は、起業時の固定費を抑える選択肢として、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを活用するケースが増えています。
レンタルオフィスの特徴
✅ 初期費用が抑えられる
✅ 家具・インフラ完備
✅ 契約期間が柔軟
バーチャルオフィスの特徴
✅ 登記住所のみ利用可能
✅ 月額数千円〜利用可能
✅ 自宅住所を公開せずに済む
特にIT系や士業など、来客が少ない業種では、固定費を大幅に圧縮できるメリットがあります。最初はコストを抑え、売上が安定してから拡張するという戦略は、リスク管理の観点からも有効です。
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設備投資を最小限にする方法
設備投資は、事業拡大に直結する重要な投資ですが、起業時は慎重に判断する必要があります。
抑えるポイントは以下の通りです。
✅ 中古品やリースの活用
✅ 必須設備と後回しにできる設備を分ける
✅ サブスク型サービスを利用する
✅ クラウドツールを活用する
例えば、会計ソフトや顧客管理システムは、初期導入費をかけるよりも、月額制サービスを活用する方が資金負担を軽減できます。
外注と内製のバランス
起業初期は人件費を抑えるため、すべてを自分で行いたくなります。しかし、時間は最も貴重な資源です。
✅ 売上に直結する業務は自分で行う
✅ 専門性が必要な業務は外注する
✅ 単発業務は業務委託で対応する
例えば、ロゴ制作やホームページ制作は外注し、日常的なSNS更新は自分で行うなど、費用対効果を基準に判断することが重要です。
まとめ|起業費用を把握し、無理のないスタートを
起業にかかる費用は、単なる「会社設立費用」だけではありません。
✅ 法人設立にかかる初期費用
✅ オフィスや設備の準備費用
✅ 事業が軌道に乗るまでの運転資金
✅ そして生活費
これらを総合的に見積もることが、安定したスタートの第一歩です。特に重要なのは、固定費をどれだけコントロールできるか。売上が安定する前に毎月の支出が膨らんでしまうと、資金繰りは一気に厳しくなります。
だからこそ、起業時は
✅ 必要最小限の設備で始める
✅ 固定費を抑えられるオフィス形態を選ぶ
✅ 数ヶ月分の運転資金を確保する
といった「守りの設計」が重要になります。
起業時のオフィスコストを抑えるという選択肢
オフィス費用は、起業初期の大きな固定費の一つです。初期費用や保証金が高額な一般賃貸ではなく、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを活用することで、資金負担を大きく軽減できるケースもあります。
THE HUBでは、レンタルオフィス・コワーキングスペース・バーチャルオフィスを全国で展開しており、起業時の規模や予算に合わせた柔軟な選択が可能です。
✅ 初期費用を抑えてスタートしたい
✅ 登記住所だけまず確保したい
✅ 1名用のコンパクトオフィスから始めたい
といったニーズにも対応できます。
起業費用を正しく把握し、無理のない形でスタートすることが、長く事業を続けるための鍵です。ぜひ、自身の事業計画に合ったオフィス選びも含めて、資金設計を検討してみてください。
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writing by:nex株式会社 事業企画室
nexでは、レンタルオフィス・コワーキングスペース・バーチャルオフィスに関する情報を、コラム記事を通じてわかりやすく発信しています。
自社サービスに限らず、これから働き方を見直したい方・新しい拠点を検討している方に役立つ業界情報をお届けしていきます。

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