不動産業でバーチャルオフィスは使える?要件・注意点を徹底解説

2026年1月14日

不動産業で開業や事業拡大を検討する中で、「バーチャルオフィスを事務所として使えるのか」「宅建業免許の要件を満たせるのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
不動産業は、事務所の設置や表示に関するルールが定められており、オフィス選びを誤ると、免許申請や更新に影響が出る可能性もあります。
一方で、コストを抑えて事業を始めたい、柔軟に拠点を使いたいというニーズも高まっています。
本記事では、不動産業でバーチャルオフィスが使えるのかという疑問に対し、必要な要件や注意点を整理しながら、失敗しないオフィス選びのポイントをわかりやすく解説します。

不動産業はバーチャルオフィスを利用できるのか

結論から言うと、不動産業でバーチャルオフィスを利用できるかどうかは「条件次第」です。

すべての不動産業者がバーチャルオフィスを事務所として使えるわけではなく、宅地建物取引業免許の要件を満たしているかどうかが大きな判断基準となります。
不動産業は、宅地建物取引業法に基づき、「事務所」としての実態がある場所を設けることが求められています。
そのため、単に住所を借りるだけのバーチャルオフィスでは、免許申請や更新時に認められないケースもあります。

一方で、

・専用の執務スペースが確保されている
・来客や取引に対応できる体制がある
・事務所としての独立性・常設性が説明できる

といった条件を満たす場合には、バーチャルオフィスやそれに近い形態が認められる可能性もあります。重要なのは、「バーチャルオフィスかどうか」という名称ではなく、実態として不動産業の事務所要件を満たしているかどうかです。

次の章では、不動産業に求められる事務所要件について、具体的に解説します。

不動産業に求められる「事務所要件」とは

不動産業(宅地建物取引業)を行うには、宅地建物取引業法に基づき、一定の要件を満たした「事務所」を設ける必要があります。この要件を満たしていない場合、免許の新規申請や更新が認められないこともあります。
ここで重要なのは、「オフィスの形態」ではなく、事務所としての実態があるかどうかです。

宅地建物取引業における事務所の定義

宅地建物取引業法において「事務所」とは、単に住所を置いている場所ではなく、不動産取引を継続的に行うための拠点を指します。免許申請や更新の際には、この事務所に実体があるかどうかが確認されます。

業務性宅地建物取引業の業務が実際に行われている
継続性一時的ではなく、継続して使用される
外部認識第三者から見て事務所と分かる
管理体制書類管理・連絡体制が整っている

このように、不動産業の事務所は「名義上の住所」では足りず、業務実態が伴っていることが前提となります。

専用性・常設性・独立性が重視される理由

不動産取引は、高額な資産を扱い、消費者保護の観点が特に重視される業種です。
そのため、宅建業では事務所に対して、誰が見ても「きちんとした取引拠点」と分かることが求められます。

要件意味なぜ重要か
専用性不動産業専用のスペースである他業務・私用との混在を防ぐため
常設性継続して利用できる取引の安定性・責任所在を明確にするため
独立性区画として独立している事務所の実体を外部から確認できるため

これらが不十分な場合、バーチャルオフィスは「実際の事務所とは言えない」と判断される可能性があります。
一方で、専用区画・個室・来客対応が可能な環境を備えたオフィスであれば、バーチャルオフィスに近い形態でも検討対象になるケースが出てきます。

なぜバーチャルオフィスが問題になりやすいのか

一般的なバーチャルオフィスは、住所利用や郵便転送を主なサービスとしているため、専用の執務スペースや常設性を説明しづらいケースがあります。
そのため、不動産業では「住所だけを借りる形のバーチャルオフィス」は注意が必要です。
一方で、個室や会議室を備え、事務所としての実態を説明できる形であれば、検討の余地が出てくる場合もあります。

次の章では、不動産業でバーチャルオフィスが使えるケース・使えないケースを、より具体的に整理していきます。

不動産業でバーチャルオフィスが使えるケース・使えないケース

不動産業において、バーチャルオフィスが使えるかどうかは「バーチャルオフィスという名称」ではなく、宅建業法上の事務所要件を満たしているかどうかで判断されます。
ここでは、実務上よくあるケースをもとに、使える可能性があるケース/難しいケースを整理します。

バーチャルオフィスが使える可能性があるケース

以下のように、事務所としての実体を説明できる場合は、バーチャルオフィスやそれに近い形態でも検討余地が出てきます。

個室・専用スペースがある専用性・独立性を説明しやすい
常時利用できる拠点常設性が確保できる
来客・面談対応が可能取引拠点としての実態がある
書類保管・管理体制がある業務実態を示せる
行政に説明できる運用免許申請時の確認に対応できる

特に、個室レンタルオフィスや会議室併設型オフィスは、バーチャルオフィス単体よりも要件を満たしやすい傾向があります。

バーチャルオフィスが使えないケース

一方で、以下のようなケースでは不動産業の事務所として認められない可能性が高くなります。

住所貸しのみ業務実態が説明できない
常設スペースがない常設性を満たさない
来客対応ができない取引拠点と見なされにくい
私用・他業務と混在専用性が不足
行政への説明が困難免許審査で指摘されやすい

特に、「郵便転送だけ」「電話番号だけ」といった名義上の住所利用は、宅建業ではリスクが高い点に注意が必要です。

不動産業がバーチャルオフィスを使う際の注意点

不動産業でバーチャルオフィスを検討する場合、「使える可能性がある」だけで判断するのは危険です。
免許申請や更新、実際の業務運営を見据え、事前に確認しておくべき注意点があります。

免許申請時・更新時のチェックポイント

宅地建物取引業免許の申請・更新時には、事務所の実態について細かく確認されることがあります。
バーチャルオフィスを利用する場合は、説明できる体制を整えておくことが重要です。

事務所の実体専用スペース・常設性を説明できるか
使用形態他用途との区別が明確か
現地確認立ち入り確認に対応できるか
書類管理契約書・帳簿の保管体制

自治体や担当部署によって、確認の厳しさに差が出ることもあります。

来客対応・看板・標識の扱い

不動産業では、来客対応や事務所の表示(標識)も重要なポイントです。
バーチャルオフィスの場合、これらに対応できないケースがあるため注意が必要です。

来客対応面談スペースが確保できるか
受付対応来訪時の案内方法
標識掲示法定標識を掲示できるか
表示方法外部から事務所と認識できるか

会議室併設型や個室型オフィスであれば、こうした点をクリアしやすくなります。

行政(都道府県)ごとの運用の違い

宅地建物取引業の免許は、都道府県ごとに申請・審査が行われます。そのため、同じオフィス形態でも判断が分かれるケースがあります。不安がある場合は、事前に行政窓口へ相談することでリスクを下げられます。

審査基準担当部署の判断に左右される
事前相談可否の見解が得られる場合あり
指摘内容更新時に条件が変わる可能性

不動産業でバーチャルオフィスが向いている人

バーチャルオフィスは、不動産業を行うすべての人に適しているわけではありません。
一方で、業態や事業フェーズによっては相性が良いケースもあります。
ここでは、バーチャルオフィスが向いている代表的なタイプを整理します。

副業・小規模でスタートしたい人

これから不動産業を始める方や、

副業・小規模から段階的に事業を拡大したい方にとって、

バーチャルオフィスはコスト面で大きなメリットがあります。

・初期費用・固定費を抑えたい
・まずは最小限の拠点で始めたい
・将来的にオフィス形態を見直す予定がある

といった場合、小さく始めて様子を見る選択肢として検討しやすいでしょう。

来客対応が少ない業態の人

不動産業の中でも、来客対応の頻度は業態によって大きく異なります。オンライン中心で業務が完結する場合は、常設の対面拠点が必須でないケースもあります。

・オンライン相談・Web商談が中心
・現地案内は物件集合が多い
・事務所での来客がほとんどない

こうした業態であれば、事務所の常設性よりも実務効率を重視した選択がしやすくなります。

バーチャルオフィス以外の選択肢も検討しよう

不動産業では、「バーチャルオフィスが使えるかどうか」だけで判断するのではなく、事務所要件・業務内容・将来の展開まで含めて、他のオフィス形態も比較検討することが重要です。ここでは、バーチャルオフィス以外の代表的な選択肢を紹介します。

レンタルオフィスとの違い

レンタルオフィスは、個室を専有して利用できるオフィス形態で、不動産業の事務所要件を満たしやすい点が特徴です。
免許要件や来客対応を重視する場合は、最初からレンタルオフィスを選ぶ方が安心なケースも少なくありません。

項目バーチャルオフィスレンタルオフィス
専用個室なし(原則)あり
常設性弱い強い
来客対応制限あり対応しやすい
宅建業対応条件付き対応しやすい
コスト低い中程度

コワーキング併用という選択

「常設の個室までは不要だが、作業場所や打ち合わせスペースは必要」という場合には、バーチャルオフィス+コワーキングスペース併用という選択もあります。
この場合、コワーキングスペースの住所利用・登記オプションを利用することで、両方のサービスを利用することが可能な場合が多いです。

日常業務コワーキングで作業
打ち合わせ会議室を必要なときだけ利用
登記・住所バーチャルオフィスで対応

まとめ|不動産業に合ったオフィス形態を選ぶことが大切

不動産業でバーチャルオフィスを検討する際は、「使えるか・使えないか」だけでなく、宅建業の事務所要件や実際の業務スタイルに合っているかを踏まえて判断することが重要です。
記事をここまで読んで、
「やはりバーチャルオフィスだけでは不安かもしれない」
「レンタルオフィスや別の形態のほうが合いそうだ」 と感じた方もいるのではないでしょうか。

実際、不動産業では

・常設性や来客対応を重視するなら レンタルオフィス
・固定費を抑えつつ柔軟に使いたいなら コワーキング併用
・住所利用や最小構成から始めたいなら バーチャルオフィス
といったように、事業フェーズや業態に応じて選ぶべきオフィス形態は異なります。

nexでは、バーチャルオフィス・レンタルオフィス・コワーキングスペースを幅広く展開しており、不動産業の業務内容や成長段階に合わせた選択が可能です。

「最初はバーチャル、必要に応じてレンタルオフィスへ」
「普段はコワーキング、拠点はレンタルオフィスで確保」といった柔軟な使い方も検討できるため、不動産業のオフィス選びに迷っている方は、一度nexのサービス全体をチェックしてみてください。

writing by:nex株式会社 事業企画室

nexでは、レンタルオフィス・コワーキングスペース・バーチャルオフィスに関する情報を、コラム記事を通じてわかりやすく発信しています。
自社サービスに限らず、これから働き方を見直したい方・新しい拠点を検討している方に役立つ業界情報をお届けしていきます。

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