コワーキングスペースとは?メリット・デメリットから料金、選び方まで徹底解説!

近年、働き方の多様化に伴い、「コワーキングスペース」という言葉を耳にする機会が増えました。フリーランスや起業家だけでなく、テレワークを行う会社員にとっても、自宅やカフェ以外の新たな選択肢として注目されています。しかし、具体的にどのような場所なのか、シェアオフィスと何が違うのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コワーキングスペースの基本的な意味から、メリット・注意点、料金システム、そして自分に合ったスペースの選び方まで、わかりやすく解説します。

コワーキングスペースとは?

コワーキングスペースは、単なる作業場所の提供にとどまらない、新しい働き方を支える空間です。まずは、その基本的な定義と、混同されがちな他のオフィス形態との違いを明確にしましょう。

多様な人々が働く場所を共有する空間

コワーキングスペースとは、英語の「Co(共同)」と「Working(働く)」を組み合わせた言葉で、直訳すると「共同で働く場所」という意味になります。
様々な業種や所属の個人事業主、フリーランス、起業家、企業の従業員などが同じ空間を共有し、それぞれが独立した仕事を行うのが特徴です。単にデスクや椅子が置かれているだけでなく、利用者同士の交流やコミュニティ形成が促されるような設計になっている施設が多い点も、大きな特徴の一つと言えるでしょう。

シェアオフィスやレンタルオフィスとの違い

コワーキングスペースとよく似たサービスに、「シェアオフィス」や「レンタルオフィス」があります。法的な定義はなく、運営会社によってサービスの境界は曖昧ですが、一般的には以下のような違いがあります。

サービス形態主な目的スペースの形態コミュニティ要素
コワーキングスペース作業場所の共有と利用者同士の交流オープンな共有スペースが中心強い(イベント開催など)
シェアオフィス複数の利用者でオフィス機能を共有共有スペースが中心だが、個室もある施設によるが多くはない
レンタルオフィス専用の個室作業スペースの賃貸施錠可能な専用個室が中心ほとんどない

シェアオフィスは作業場所の「共有」に主眼が置かれているのに対し、コワーキングスペースはそれに加えて利用者同士の「交流(コミュニティ)」を重視する傾向があります。 一方、レンタルオフィスはプライバシーが確保された「専用個室」を求める場合に適しています。

コワーキングスペースを利用する5つのメリット

コワーキングスペースは、従来のオフィスにはない多くのメリットを提供します。コスト面から環境面、そして新たなビジネスチャンスに至るまで、その魅力を5つのポイントに分けてご紹介します。

1)オフィスにかかる費用を大幅に削減できる

自分でオフィスを賃貸契約する場合、敷金や礼金、内装工事費などの初期費用に加え、月々の家賃や光熱費、通信費といったランニングコストがかかります。コワーキングスペースなら、これらの費用を大幅に抑えることが可能です。 家具やインターネット環境も整っているため、最低限のコストですぐに事業を始められます。

2)仕事に集中できる環境が手に入る

自宅では、家族の存在や家事などでなかなか仕事に集中できないという方も多いでしょう。また、カフェでは周囲の話し声が気になったり、長時間の滞在が難しかったりします。 コワーキングスペースは仕事をするための空間なので、適度な緊張感を保ちながら作業に集中できる環境が整っています。

3)Wi-Fiや複合機など充実した設備を使える

多くのコワーキングスペースでは、高速Wi-Fiや電源はもちろん、プリンターやスキャナーが一体となった複合機、フリードリンク、会議室などが完備されています。 これらの設備を自分で揃える手間とコストをかけることなく利用できるのは、大きなメリットです。施設によっては、モニターやプロジェクターを貸し出している場合もあります。

4)新しい人脈やビジネスチャンスが生まれる

コワーキングスペースには、様々なバックグラウンドを持つ人々が集まります。普段の業務では出会えないような異業種の専門家と知り合うことで、新たな知識を得たり、情報交換をしたりする機会が生まれます。 そこから思わぬコラボレーションや新規ビジネスが誕生することもあり、人脈を広げたい方にとっては魅力的な環境です。

5)利用頻度に合わせた柔軟な契約が可能

一般的な賃貸オフィスが年単位の契約を求められるのに対し、コワーキングスペースは月単位での契約や、使った分だけ支払うドロップイン(一時利用)など、柔軟な料金プランが用意されています。 プロジェクト単位での短期利用や、週に数日だけ使いたいといったニーズにも対応しやすく、無駄なコストを発生させずに済みます。

コワーキングスペースを利用する際の注意点

多くのメリットがある一方で、共有スペースならではの注意点も存在します。快適に利用するためにも、事前にデメリットとなりうる点を理解し、対策を考えておくことが重要です。

情報漏洩のリスク管理が必要になる

オープンな環境であるため、セキュリティには十分な注意が必要です。パソコンの画面を他人に見られないようにするプライバシーフィルターの使用や、重要な電話は個室ブースで行うなどの配慮が求められます。 また、席を離れる際はパソコンや書類をそのままにせず、必ず施錠可能なロッカーに保管する習慣をつけましょう。

周囲の音や会話が気になる場合がある

コワーキングスペースは、利用者同士のコミュニケーションも目的の一つとしているため、静寂な環境とは限りません。 利用者の会話やキーボードを打つ音、電話の着信音などが気になることもあります。音に敏感な方は、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを持参したり、集中したい作業は個室ブースを利用したりするなどの工夫が必要です。

フリーアドレス席は確保できない可能性も

多くのコワーキングスペースでは、空いている席を自由に使うフリーアドレス制が採用されています。そのため、利用者が多い時間帯には、希望の席が空いていなかったり、そもそも席を確保できなかったりする可能性があります。 特に駅近の人気施設では混雑しやすいため、特定の席を確保したい場合は、固定席プランの契約を検討するとよいでしょう。

コワーキングスペースの主な設備とサービス

コワーキングスペースは、単に机と椅子を貸し出すだけではありません。利用者のビジネスをサポートするための、様々な設備やサービスが提供されています。

基本的なワークスペースとインフラ設備

仕事を行う上で不可欠な設備は、ほとんどのコワーキングスペースで標準的に提供されています。具体的には、デスクと椅子、高速Wi-Fi、各席の電源コンセント、複合機などが挙げられます。 その他、休憩や食事に使えるラウンジスペース、無料のコーヒーやお茶が楽しめるドリンクバーも多くの施設に備わっています。

法人登記や郵便物受取サービス

多くのコワーキングスペースでは、施設の住所を利用して法人登記を行うことが可能です。 これにより、自宅の住所を公開することなく、一等地の住所で事業を始められます。また、法人宛の郵便物や宅配便を代わりに受け取ってくれるサービスもあり、外出が多い方でも安心です。これらのサービスは、月額プランのオプションとして提供されることが一般的です。

イベントやセミナーの開催

利用者同士の交流を促進するため、多くのコワーキングスペースでは定期的にイベントやセミナーが開催されています。 新しい知識を学べる勉強会や、ビジネスに繋がるネットワーキングイベントなど、その内容は多岐にわたります。こうした機会に積極的に参加することで、スキルアップや人脈形成に繋げることができます。

コワーキングスペースの料金システム

コワーキングスペースの料金体系は、主に「ドロップイン」と「月額プラン」の2種類に大別されます。自分の利用スタイルに合わせて最適なプランを選ぶことが、コストを抑える上で重要です。

短時間利用向けのドロップイン

ドロップインは、時間単位や1日単位で料金を支払う一時利用のシステムです。 会員登録不要で気軽に利用できる施設も多く、「出張先で少しだけ作業したい」「今日の気分転換に利用したい」といった不定期なニーズに応えます。まずは施設の雰囲気を試してみたいという方にもおすすめです。

定期利用向けの月額プラン

週に何度も利用する場合や、メインの仕事場として活用したい場合には、月額プランがお得です。 プランには、空いている席を自由に使える「フリーアドレスプラン」や、自分専用の席を確保できる「固定席プラン」、施錠可能な「個室プラン」などがあります。利用時間や曜日によっても料金が異なるため、自身のワークスタイルに合ったプランを選択しましょう 。

自分に合ったコワーキングスペースの選び方

現在、コワーキングスペースは急速に増加しており、その特徴も様々です。数多くの選択肢の中から、自分にとって最適な場所を見つけるための3つのポイントをご紹介します。

利用目的と頻度を明確にする

まずは、自分がコワーキングスペースをどのように使いたいのかを整理しましょう。「静かな環境で集中したいのか」「他の利用者と積極的に交流したいのか」、また「週に何日、1日に何時間くらい利用するのか」を明確にすることで、選ぶべき施設のタイプや料金プランが見えてきます。

立地とアクセスの良さを確認する

定期的に利用するならば、通いやすさは非常に重要な要素です。自宅からの距離や最寄り駅からのアクセス、周辺の環境などを確認しましょう。特に、クライアントとの打ち合わせで利用する可能性がある場合は、相手がアクセスしやすい立地であるかも考慮すると良いでしょう。

施設の見学やドロップインで試す

Webサイトやパンフレットだけでは、実際の雰囲気はなかなかわかりません。気になる施設が見つかったら、まずは見学を申し込むか、ドロップインで一度利用してみることを強くおすすめします。施設の清潔さや利用者の層、椅子の座り心地、インターネットの速度などを実際に体感することで、契約後のミスマッチを防ぐことができます。

コワーキングスペースはこんな人におすすめ

コワーキングスペースは、特定の職種に限らず、多様な働き方をする人々にとって有益な場所です。ここでは、特に利用をおすすめしたい3つのタイプの方々をご紹介します。

フリーランスや個人事業主

自宅での作業は孤独を感じやすく、仕事とプライベートの切り替えが難しいフリーランスや個人事業主にとって、コワーキングスペースは最適な環境です。 コストを抑えながらオフィス機能を確保できるだけでなく、他の利用者との交流を通じて孤独感を解消し、新たな仕事のヒントを得ることもできます。

スタートアップや起業家

事業を立ち上げたばかりのスタートアップや起業家にとって、初期投資を抑えられる点は大きな魅力です。 また、法人登記や住所利用が可能なため、事業の信頼性を高めることができます。同じように志を持つ起業家との出会いは、情報交換や協業の機会に繋がり、事業成長の大きな助けとなるでしょう。

テレワークを行う会社員

会社の制度でテレワークが可能になったものの、自宅には集中できる環境がないという会社員にもおすすめです。 自宅近くのコワーキングスペースを利用すれば、通勤時間を削減しつつ、オフィス同様の環境で業務効率を上げることができます。気分転換にもなり、仕事へのモチベーション維持にも繋がります。

まとめ

コワーキングスペースは、単に机を共有する場所から、多様な働き方をサポートし、新たな価値を生み出すコミュニティ空間へと進化しています。オフィス費用の削減や集中できる環境の確保といった実用的なメリットに加え、異業種の人々との交流から生まれる無限の可能性も秘めています。
本記事で紹介した選び方や注意点を参考に、ぜひあなたにぴったりのコワーキングスペースを見つけ、新しい働き方を体験してみてください。

writing by:nex株式会社 事業企画室

nexでは、レンタルオフィス・コワーキングスペース・バーチャルオフィスに関する情報を、コラム記事を通じてわかりやすく発信しています。
自社サービスに限らず、これから働き方を見直したい方・新しい拠点を検討している方に役立つ業界情報をお届けしていきます。

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