オフィス移転の費用相場は?坪単価の目安やコスト削減のポイントを解説
2026年1月23日
オフィス移転は企業の成長にとって大きなチャンスですが、同時に多額のコストがかかる一大プロジェクトでもあります。「総額でいくらかかるのか見当がつかない」「経営陣に提示できる正確な予算根拠が欲しい」と頭を抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、オフィス移転のプロフェッショナルとしての知見を基に、費用の相場から詳細な内訳、そして賢くコストを削減するための具体的なテクニックまでを網羅的に解説します。この記事を読み終える頃には、自信を持って予算計画を立て、スムーズに移転プロジェクトを進められるようになります。
オフィス移転の費用相場は?
まずは、全体感を掴むために費用の総額目安を確認しましょう。オフィス移転にかかる費用は、物件のグレードや内装へのこだわりによって大きく変動しますが、一般的な指標を知っておくことで予算ブレを防げます。
1坪あたり20万〜50万円を目安にする
オフィス移転にかかる費用の総額は、賃室の面積1坪(約3.3平米)あたり20万円から50万円程度が相場といわれています。この金額には、新しいオフィスの契約費用、内装工事費、引越し作業費、そして旧オフィスの原状回復費などがすべて含まれています。幅があるのは、移転先の立地条件や、どの程度内装を作り込むかによって金額が大きく変わるためです。
| 内装グレード | 坪単価の目安 | 特徴 |
| ミニマム | 20万〜30万円 | パーテーションのみ設置、家具は既存転用 |
| スタンダード | 30万〜40万円 | エントランスや会議室を造作、一部家具新調 |
| ハイグレード | 40万〜50万円 | フルオーダーのデザイン、高機能家具を導入 |
このように、まずは「自社がどの程度のグレードを目指すか」を決めることで、概算予算の精度を高めることができます。コスト重視であれば坪20万円台を目指し、ブランディングを重視するなら坪40万円以上を見込んでおくと安全です。
30名〜50名規模なら2,000万円〜3,000万円以上を想定する
従業員数に基づいた総額シミュレーションを行うことも重要です。一般的に、従業員1人あたりに必要なオフィス面積は2.5坪〜3坪とされています。例えば30名から50名の企業であれば、必要な面積は約75坪から150坪となります。先ほどの坪単価目安を当てはめると、総額で数千万円規模の予算が必要になることがわかります。
以下の表は、従業員数と想定面積ごとの費用概算をまとめたものです。
| 従業員数 | 想定面積(坪) | 費用目安(ミニマム) | 費用目安(スタンダード) |
| 10〜20名 | 25〜60坪 | 600万〜1,200万円 | 900万〜1,800万円 |
| 30〜50名 | 75〜150坪 | 1,500万〜3,000万円 | 2,250万〜4,500万円 |
| 50〜100名 | 125〜300坪 | 2,500万〜6,000万円 | 3,750万〜9,000万円 |
この表から読み取れるように、50名規模の移転であれば、スタンダードなプランでも2,000万円以上の予算確保が必要となるケースが一般的です。まずはこの概算値をベースに、社内での予算申請準備を進めてみてください。
費用の内訳はどう構成される?
総額のイメージが掴めたところで、次は具体的な費用の内訳を見ていきましょう。オフィス移転の費用は大きく分けて「物件取得費」「内装工事費」「引越し作業費」「原状回復費」の4つに分類されます。それぞれの費目が全体に占める割合や、何にお金がかかるのかを理解することは、コストコントロールをする上で非常に重要です。
物件取得費は賃料の6〜12ヶ月分が必要
新しいオフィスを契約するために支払う「物件取得費」は、移転費用の中でも特に大きな割合を占めます。一般的に、月額賃料の6か月分から12か月分程度の初期費用がかかると考えてください。住宅の賃貸契約とは異なり、オフィス契約では保証金(敷金)の相場が高く設定されているためです。
| 項目 | 目安(月額賃料比) | 内容 |
| 保証金(敷金) | 6〜12ヶ月分 | 賃料滞納や原状回復の担保として預けるお金 |
| 礼金 | 0〜2ヶ月分 | オーナーへの謝礼(大型ビルでは不要な場合も) |
| 仲介手数料 | 1ヶ月分 | 物件を紹介した不動産会社へ支払う報酬 |
| 前家賃 | 1ヶ月分 | 契約開始月の賃料(日割りの場合もあり) |
特に東京都心の人気エリアや大型ビルの場合、保証金として賃料の12か月分を求められることも珍しくありません。一方で、小規模なビルや築年数が経過している物件では、6か月分程度に収まることもあります。この初期費用は契約時に現金で用意する必要があるため、資金繰りの観点からも早めに確認しておくべき項目です。
内装工事費はデザインへのこだわりで変動する
新オフィスの内装工事費は、こだわればこだわるほど青天井になりやすい項目です。一般的には坪あたり10万円から30万円程度が相場ですが、エントランスのデザインや会議室の防音仕様、セキュリティ設備の導入有無によって大きく変わります。また、近年は建築資材や人件費の高騰により、相場が上昇傾向にある点にも注意が必要です。
内装工事には、大きく分けて以下の3つの要素が含まれます。一つ目は、床や壁、天井などの仕上げを行う「建築工事」です。二つ目は、電源コンセントや照明、LAN配線などを整備する「設備工事」です。そして三つ目は、デスクやチェア、キャビネットなどを購入・設置する「什器購入費」です。特に設備工事は、見た目にはわかりにくい部分ですが、社員が快適に働くためには欠かせないインフラであり、意外とコストがかさむポイントでもあります。
引越し作業費は従業員1人あたり2万〜5万円
デスクや書類、PCモニターなどを新オフィスへ運ぶための引越し作業費は、従業員1人あたり2万円から5万円程度を見込んでおきましょう。この金額には、荷物の梱包資材費、トラックのチャーター費、搬出入の作業人件費などが含まれます。また、機密文書の廃棄処理や、サーバーなどの精密機器運搬を依頼する場合は、別途オプション費用が発生することがあります。
引越し費用は時期によっても変動します。企業の決算月が多い3月や9月は引越し業者の繁忙期にあたり、料金が割高になる傾向があります。逆に、これらの時期を避けて移転スケジュールを組むことができれば、費用交渉の余地が生まれやすくなります。
原状回復費は坪単価3万〜10万円を見ておく
忘れてはならないのが、現在入居しているオフィスの退去にかかる「原状回復費」です。オフィス賃貸借契約では、退去時に「入居時の状態に完全に戻す」ことが義務付けられているケースがほとんどです。この工事費用は、坪あたり3万円から10万円程度が目安となります。
費用に幅があるのは、ビルのグレードや指定業者の有無が関係しています。多くのオフィスビルでは、オーナーが指定した工事会社(B工事指定業者)を使わなければならないというルールがあり、相見積もりが取れずに言い値での発注となるケースが多いためです。退去時のトラブルを防ぐためにも、現オフィスの契約書を確認し、原状回復の区分や指定業者の有無を早めにチェックしておくことをお勧めします。
その他の諸経費も予算に組み込む
主要な4項目以外にも、細々とした諸経費が発生します。これらは一つひとつは少額でも、積み重なると数十万円から百万円単位になることがあるため、予備費として予算に組み込んでおくのが賢明です。
| 項目 | 費用の目安 | 内容 |
| 登記変更費用 | 3万〜10万円 | 本店移転登記にかかる登録免許税や司法書士報酬 |
| 印刷物修正費 | 数万〜数十万円 | 名刺、封筒、会社案内などの住所変更に伴う刷り直し |
| 廃棄物処理費 | 2トン車1台あたり7万〜10万円、4トン車1台あたり12万〜20万円 | 不要になった旧什器や書類の産業廃棄物処理費用 |
| 挨拶状・手土産 | 数万〜10万円 | 取引先への移転案内状送付や挨拶回りの手土産代 |
特に廃棄物の処理費用は見落としがちです。移転を機に古いデスクやロッカーを大量に処分する場合、産業廃棄物としての適切な処理が求められ、意外な出費となることがあります。
費用を安く抑える具体的な方法は?
ここまで見てきたように、オフィス移転には多額の費用がかかりますが、工夫次第で大幅にコストダウンすることも可能です。質を落とさずに賢く節約するための、プロが実践する5つのテクニックを紹介します。
1)居抜き物件を選んで内装費をカットする
最もインパクトの大きい削減方法は、「居抜き物件」を選ぶことです。居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備、場合によっては家具などがそのまま残されている物件のことです。これらを活用することで、通常であれば坪10万円以上かかる内装工事費を大幅に圧縮できます。また、入居までの工事期間を短縮できるため、二重家賃の発生期間を抑えられるというメリットもあります。
ただし、レイアウトが自社の働き方に合わない場合は改修が必要になったり、退去時に前のテナント分も含めた原状回復義務を負う契約になっていたりすることもあるため、契約内容の慎重な確認が必要です。
2)フリーレントを活用して二重家賃を防ぐ
「フリーレント」とは、入居後の一定期間、家賃が無料になるサービスのことです。移転プロジェクトでは、旧オフィスの賃料と新オフィスの賃料が重複する「二重家賃」の期間がどうしても発生してしまいます。この期間の賃料負担を軽減するために、フリーレント交渉は非常に有効です。
一般的には1か月から3か月程度のフリーレントが付くケースが多く、中には半年以上のフリーレントが設定されている物件もあります。物件探しの段階で、仲介会社に「フリーレントが相談できる物件」を条件として伝えておくと、効率的に候補を絞り込むことができます。
3)オフィス家具は廃棄せずに買取を依頼する
不要になったオフィス家具や什器を単に廃棄すると処分費用がかかりますが、専門の買取業者に依頼すれば、逆に現金化できる可能性があります。特に、有名メーカーのチェアや比較的新しいデスク、キャビネットなどは中古市場でも需要が高く、買い取ってもらえるケースが多くあります。
もし買取がつかない場合でも、無料で引き取ってもらえるだけで廃棄コストの削減になります。廃棄業者に連絡する前に、まずはオフィス家具専門のリサイクルショップや買取業者に査定を依頼してみるのが得策です。
4)公的支援や補助金の活用を検討する
自治体や国が実施している、オフィス移転に関する助成金や補助金制度を活用するのも一つの手です。例えば、地方拠点強化税制のように、東京23区から地方へ本社機能を移転する場合に税制優遇が受けられる制度や、働き方改革に関連したテレワーク環境整備のための助成金などが存在します。
また、各自治体が企業誘致のために独自の家賃補助制度を設けていることもあります。移転先のエリアが決まったら、その自治体の産業振興課などのウェブサイトを確認し、利用できる制度がないか調べてみる価値は大いにあります。
5)複数社へ相見積もりを取り適正価格を知る
引越し業者や内装工事業者を決める際は、必ず3社程度から相見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうかを判断するのが難しいためです。複数の業者の提案内容と金額を比較することで、相場感を把握できるだけでなく、価格交渉の材料としても活用できます。
ただし、金額の安さだけで業者を選ぶのは危険です。見積もりに含まれている作業範囲や、アフターフォローの有無、担当者の対応品質なども含めて総合的に判断することが、結果としてトラブルのないコストパフォーマンスの高い移転につながります。
少規模の移転ならレンタルオフィスで固定費を最小化する
従業員数が数名から十数名程度の少規模な移転であれば、「レンタルオフィス」の活用を検討することが、費用を安く抑えるための最も手っ取り早い方法です。
一般的な賃貸オフィスでは、物件を契約したあとに内装工事を行い、オフィス家具や通信機器を一から揃える必要があるため、どうしても初期費用が膨らんでしまいます。一方で、レンタルオフィスにはデスクやチェア、インターネット環境があらかじめ完備されているため、入居したその日からすぐに業務を開始することができます。そのため、通常であれば坪単価数十万円かかる内装工事費を、まるごとカットできる点が最大のメリットです。また、初期費用として支払う保証金や敷金の設定も、通常の賃貸物件に比べて圧倒的に低く抑えられています。「オフィス移転の費用を極限まで抑えたい」と考えるなら、まずは自社の規模感でレンタルオフィスが利用可能か、シミュレーションしてみることをおすすめします。
オフィス移転の初期費用を最小限に抑えたいなら、国内最大級のレンタルオフィス「THEHUB」がおすすめです。家具やネット環境が完備されているため内装工事費がかからず、敷金や礼金などの初期コストも劇的に削減できます。全国に豊富な拠点があり、予算や規模に合わせて柔軟なプランを選べるのも大きな魅力です。まずは公式サイトで、希望エリアの料金を確認してみてください。
【関連記事】レンタルオフィスの費用相場は?初期費用から内訳まで徹底解説!
支払いが発生するタイミングは?
予算計画を立てる際は、単に総額だけでなく「いつ」「いくら」の現金が必要になるかというキャッシュフローの視点も欠かせません。費用の発生タイミングを把握し、経理担当者と連携しておくことが重要です。
契約締結時にまとまった現金が必要になる
最も大きな出費のタイミングは、新オフィスの賃貸借契約を結ぶときです。この時点で、保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前家賃などの物件取得費を一括で支払う必要があります。移転作業が本格化する数か月前に、総費用の半分近くにあたる多額の現金が動くことになるため、資金調達の準備は早めに行う必要があります。
工事費は着手金と完了金の分割払いが多い
内装工事費については、契約時(着工前)に『着手金』として総額の30〜50%程度を支払い、工事完了後の引き渡し時に残りの「完了金」を支払うという2回払いのケースが一般的です。引越し費用や不用品処分費については、作業完了後に請求書払いで翌月末支払いとなることが多いですが、業者によっては当日の現金払いを求められることもあるため、事前に支払い条件を確認しておきましょう。
移転費用の勘定科目はどうする?
最後に、経理処理の観点から勘定科目についても触れておきます。移転にかかる費用は、すべてを一括で「経費」として落とせるわけではありません。税務上のルールに従って正しく仕訳を行う必要があります。
10万円未満の少額資産は消耗品費にする
新しく購入したオフィス家具や備品のうち、1個または1組の金額が10万円未満のものは「消耗品費」として全額を経費計上できます。また、中小企業特例などを活用すれば、30万円未満のものまで即時償却できる場合もあります。これらは当期の利益を圧縮する効果があるため、決算対策としても有効です。
内装工事費は建物付属設備として資産計上する
内装工事にかかった費用は、原則として「建物付属設備」などの資産として計上し、耐用年数(一般的には10年から15年)にわたって減価償却を行います。つまり、支出した期に全額を経費にすることはできず、数年に分けて少しずつ費用化していくことになります。この処理は法人税の計算に大きく影響するため、顧問税理士と相談しながら進めることが大切です。
礼金や仲介手数料は繰延資産や費用で処理する
物件契約時の費用のうち、礼金(20万円以上の場合)は「長期前払費用」として契約期間(通常5年以内)で均等償却します。一方、仲介手数料や引越し費用、広告宣伝費などは、サービスの提供を受けた日の属する事業年度の損金として一括処理することが一般的です。また、保証金(敷金)は将来返還される予定の資産であるため、「敷金」や「差入保証金」として資産計上し、経費にはなりません。
まとめ
オフィス移転は、単なる場所の移動ではなく、企業のさらなる飛躍や社員の働きがい向上を実現する重要な投資です。相場観と内訳を正しく理解し、メリハリのある予算配分を行うことで、コストを抑えながらも理想的なオフィス環境を実現することは十分に可能です。ぜひこの記事で紹介したポイントを活用して、納得のいくオフィス移転プロジェクトを成功させてください。
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writing by:nex株式会社 事業企画室
nexでは、レンタルオフィス・コワーキングスペース・バーチャルオフィスに関する情報を、コラム記事を通じてわかりやすく発信しています。
自社サービスに限らず、これから働き方を見直したい方・新しい拠点を検討している方に役立つ業界情報をお届けしていきます。

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