レンタルオフィスの選び方を徹底解説!失敗しないための13のチェックポイント

「駅近なら十分」「とにかく安ければOK」
──そんな選び方で後悔するケースは少なくありません。

企業の成長や働き方の多様化に伴い、オフィス戦略の重要性は年々高まっています。
近年では、従来の賃貸オフィスに加え、より柔軟で効率的なオフィス形態として「レンタルオフィス」が注目されていますが、サービス内容や料金体系は運営会社によって大きく異なり、「何を基準に選べばよいのか分からない」と悩む方も多いのが実情です。

本記事では、レンタルオフィスの選び方で失敗しないために、基本的な知識から13のチェックポイント、目的別の選び方、契約前の注意点までを網羅的に解説します。
自社にとって最適なレンタルオフィスを選ぶための判断基準を明確にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

レンタルオフィスとは?主な種類と特徴を解説

レンタルオフィス選びを始める前に、まずはその基本的な定義と、混同されがちな他のオフィス形態との違いを正確に理解しておくことが重要です。それぞれの特徴を知ることで、自社の目的に合ったサービスを正しく選択できます。

レンタルオフィスの基本的なサービス内容

レンタルオフィスとは、一般的に、デスクや椅子、インターネット環境といったビジネスに必要な設備が予め備わっている「専有の個室」を借りられるサービスです。敷金や礼金、内装工事費などの初期費用を大幅に抑えられ契約後すぐに業務を開始できる手軽さが最大の魅力です。多くの場合、月額利用料には光熱費やインターネット通信費が含まれており、コスト管理がしやすい点も特徴と言えるでしょう。

シェアオフィスとの違い

シェアオフィスは、複数の企業や個人がオープンスペース(共有スペース)を分け合って利用する形態を指します。レンタルオフィスが「専有の個室」を基本とするのに対し、シェアオフィスはフリーアドレスのデスクやラウンジなどを共同で使うのが一般的です。プライバシーが確保された集中環境を求めるならレンタルオフィス他者との交流やより低コストでの利用を優先するならシェアオフィスが適しています。

バーチャルオフィスとの違い

バーチャルオフィスは、物理的なワークスペースを持たず、「住所」や「電話番号」といった機能のみをレンタルするサービスです。主に法人登記や郵便物の受け取り先として利用されます。実際に作業する場所は提供されないため、自宅やカフェなどで仕事をしつつ、ビジネス用の一等地の住所を持ちたいというニーズに応えます。作業スペースが必要な場合は、レンタルオフィスやシェアオフィスを選びましょう。

レンタルオフィス選びで失敗しないための13のチェックポイント

自社に最適なレンタルオフィスを見つけるためには、多角的な視点での比較検討が不可欠です。ここでは、料金だけでなく、事業の成功を左右する可能性のある13の重要なチェックポイントを解説します。

チェック項目確認すべき主なポイント見落とすと失敗する理由
場所最寄り駅からの距離、路線の利便性、周辺環境(銀行、郵便局、飲食店など)従業員の通勤利便性、取引先の訪問しやすさ、業務効率に直結するため。
建物ビルの築年数、外観、エントランスの雰囲気、清掃状況企業の信頼性やブランドイメージを左右し、来客時の第一印象を決めるため。
設備個室の広さ、壁の構造(完全個室か半個室か)、防音性能機密情報の保護やWeb会議の快適性、集中できる執務環境の確保に不可欠なため。
サービス受付スタッフの常駐時間、来客対応の質、郵便物や宅配便の受け取り・転送ルール企業の「顔」として機能し、円滑な業務運営と取引先からの信頼に関わるため。
料金月額料金、初期費用(入会金、保証金)、オプション料金の有無と内容想定外の出費を防ぎ、正確なコストシミュレーションを行うために重要だから。
契約最低契約期間、解約通知のタイミング、更新料の有無事業の状況変化に柔軟に対応し、リスクを最小限に抑えるために必須の確認事項。
セキュリティ入退室管理システム、防犯カメラ、ネットワークのセキュリティ対策企業の情報資産と従業員の安全を守るための最重要項目の一つ。
その他法人登記の可否、24時間利用の可否と空調の個別設定事業運営の根幹に関わる法的手続きや、多様な働き方への対応力を見極めるため。

1)【場所】立地・アクセスの良さ

オフィスの立地は、従業員の通勤満足度や採用活動、そして取引先からのアクセスしやすさに直接影響します。最寄り駅から徒歩5分以内など、アクセスが良い場所は基本条件です。また、複数の路線が利用できる駅であれば、交通遅延などのリスクを分散できます。銀行や郵便局、飲食店といった周辺施設の充実度も、日々の業務効率を左右する隠れたポイントです。

2)【建物】ビルのグレードと清潔感

オフィスが入居するビルの外観やエントランスは、企業の第一印象を決定づけます。特に、クライアントの来訪が多い企業にとっては、ビルのグレードや清潔感が信頼性に直結します。内覧時には、オフィス内だけでなく、エントランス、廊下、トイレ、エレベーターホールといった共用部分が清潔に保たれているかもしっかりと確認しましょう。

3)【設備】個室・会議室の仕様と防音性

個室が「完全個室」であるか、天井部分が開いている「半個室」であるかは、業務の集中度や機密保持の観点から非常に重要です。電話やWeb会議を頻繁に行う場合は、防音性の高い完全個室が望ましいでしょう。また、会議室の数予約のしやすさ(稼働率)、利用料金も確認が必要です。必要な時に会議室が使えないという事態は避けなければなりません。

4)【サービス】受付・郵便物対応の質

受付スタッフの対応は、企業の「顔」となります。来客に対して丁寧でスムーズな案内ができるか、内覧時に確認しておくと安心です。また、不在時の郵便物や宅配便の受け取り、保管、転送といったサービスのルールも重要です。受け取り個数に制限があったり、転送が有料であったりする場合もあるため、細かく確認しましょう。

5)【サービス】付帯サービスの充実度

基本的なサービス以外に、どのような付帯サービスがあるかも比較ポイントです。例えば、無料のドリンクサーバー、複合機の利用料金、文房具の提供、提携サービスの割引などが挙げられます。これらの小さなサービスの積み重ねが、日々の業務の快適性やコスト削減に繋がることがあります。

6)【料金】月額料金と初期費用の内訳

料金を比較する際は、月額の総額だけでなく、その内訳を正しく理解することが重要です。共益費、光熱費、インターネット利用料が月額料金に含まれているかを確認しましょう。また、初期費用として入会金や保証金(敷金)がどれくらいかかるのか保証金は退去時にどの程度返還されるのかも契約前に必ず確認してください。

7)【料金】オプション料金の有無

基本料金が安く見えても、会議室の利用や法人登記、ロッカーの利用などがすべて有料オプションで、結果的に割高になるケースがあります。自社の業務で必要となるサービスを洗い出し、それらが基本料金に含まれるのか、オプション料金はいくらなのかを基に、総コストで比較検討することが失敗しないための鍵です。

8)【契約】契約期間の柔軟性と更新条件

事業の状況は常に変化します。特にスタートアップや成長企業にとっては、契約期間の柔軟性が非常に重要です。最低契約期間が1か月単位など短いプランがあるか、人員の増減に合わせて部屋のサイズを変更できるか解約する際の通知期間はどれくらいか、といった点を確認しましょう。2年縛りのような長期契約は、リスクになる可能性もあります。

9)【セキュリティ】物理的・情報セキュリティ体制

複数の企業が出入りするレンタルオフィスでは、セキュリティ体制が極めて重要です。ICカードによる入退室管理24時間稼働の防犯カメラの設置といった物理的なセキュリティは必須です。加えて、インターネット環境についても、共有Wi-Fiだけでなく、各社専用のVLAN(仮想LAN)が提供されるなど、情報漏洩リスクへの対策が講じられているかを確認しましょう。

10)【拡張性】利用人数の増減への対応

事業の成長に伴い、従業員が増えることは喜ばしいことですが、オフィスの拡張性が低いと移転を余儀なくされます。同じビル内や同じ運営会社の別拠点で、より広い部屋にスムーズに移れるプランがあるかを確認しておくと、将来的な手間とコストを削減できます。逆に、事業を縮小する際のダウングレードが可能かも確認しておくと、より安心です。

11)【信頼性】運営会社の安定性

レンタルオフィスは、その運営会社の信頼性も重要な選定基準です。運営実績が長く、安定した経営基盤を持つ会社であれば、突然の閉鎖といったリスクは低いと考えられます。上場企業の子会社であるか、不動産業を本業としているかなども、信頼性を測る一つの指標になります。利用者の口コミや評判を調べることも有効です。

12)【その他】法人登記・住所利用の可否

レンタルオフィスの住所で法人登記を考えている場合、そもそも登記が可能かどうかを最初に確認する必要があります。すべてのレンタルオフィスが法人登記を許可しているわけではありません。また、登記可能な場合でも、プランによっては追加料金が発生することがありますので注意が必要です。

13)【その他】24時間利用の可否と空調

業種や働き方によっては、夜間や早朝に作業が必要になることもあるでしょう。24時間365日、追加料金なしで入退室が可能かは重要なポイントです。また、意外な落とし穴が空調です。ビル全体で一括管理されている場合、夜間や休日は空調が止まってしまうことがあります。個別の空調設備があるかどうかも、快適な労働環境を維持するために確認しましょう。

【目的別】自社に合ったレンタルオフィスの選び方

すべての企業にとって完璧なレンタルオフィスというものは存在しません。企業のフェーズや事業内容によって、優先すべきポイントは異なります。ここでは、代表的な3つのケース別に最適な選び方を解説します。

スタートアップ・起業の場合

起業したばかりのスタートアップにとって最も重要なのは、「コスト効率」と「柔軟性」です。初期投資を極力抑えるため、入会金や保証金が安い、または不要なオフィスを選びましょう。また、事業計画が変化しやすいため、1か月単位で契約できるなど、短期契約が可能なプランが理想的です。法人登記が可能であることは必須条件となります。

地方・サテライト拠点として利用する場合

地方や本社から離れた場所にサテライトオフィスを設置する場合、本社との連携のしやすさが重要になります。高速で安定したインターネット環境や、Web会議に適した個室・会議室が完備されているかを確認しましょう。また、全国に拠点を持つ運営会社であれば、出張時に他拠点のワークスペースを利用できるサービスがあり、利便性が高まります。

士業・コンサルタント業の場合

弁護士、税理士、コンサルタントなど、クライアントの信頼が第一となる士業の場合、「立地」と「ビルのグレード」が重要です。都心の一等地やステータスの高いビルにあるオフィスは、それだけで信用力を高める効果があります。また、機密情報を扱うため、防音性が高くセキュリティが万全な完全個室であること、来客対応が丁寧な受付サービスがあることも必須条件と言えるでしょう。

契約前に必ず確認!レンタルオフィス選びの注意点

魅力的に見えるレンタルオフィスでも、契約後に「思っていたのと違った」という後悔をしないために、最終確認として以下の3つのポイントを必ず実行してください。

ウェブサイトの写真や間取り図だけでは、実際の雰囲気や使い勝手は分かりません。必ず現地に足を運び、内覧しましょう。その際は、個室の広さや明るさだけでなく、共用部の清潔さオフィス全体の騒音レベルエレベーターの待ち時間周辺環境などを自分の目で確かめることが重要です。可能であれば、実際に業務を行う時間帯に訪問することをおすすめします。

共用スペースの稼働率をチェックする

お洒落なラウンジや無料の会議室が魅力的に見えても、いつも混雑していて使えなければ意味がありません。内覧時には、ラウンジや集中ブース、会議室がどの程度利用されているか(稼働率)をスタッフに質問してみましょう。「会議室は予約が取りやすいですか?」と具体的に聞くことで、実際の利用状況が見えてきます。

運営会社の口コミや評判を調査する

契約を最終決定する前に、その運営会社の評判を第三者の視点から確認しましょう。Googleマップの口コミやSNS、比較サイトなどで、既存の利用者や過去の利用者の声を探してみてください。「スタッフの対応が悪い」「インターネットが頻繁に途切れる」といったネガティブな情報がないかを確認することは、リスクを回避する上で非常に有効です。

まとめ

レンタルオフィスの選び方は、単にコストや立地を比較するだけではありません。自社の事業内容や成長フェーズ、働き方のビジョンを明確にし、それに合わせてセキュリティ、契約の柔軟性、サービスの質といった多角的な視点から評価することが成功の鍵です。

今回ご紹介した13のチェックポイントや目的別の選び方を参考に、ぜひ複数のオフィスを内覧し、比較検討してみてください。

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writing by:nex株式会社 事業企画室

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